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自宅で瞑想を始めてみよう

by Harashita Sunaoshi

自宅での瞑想: 自宅で瞑想を始めてみよう


  1. はじめに

何か習い事を始めた時のことを思い出してみてください。例えばテニスを習いたかったら、どうしますか。テニスのルールや、ボールの打ち方を説明した本やビデオはたくさんあるのでそういうものを見て独学でやってみるのも一つの方法です。でも教室に通ったりクラブに入ったりすれば、もっと効率がいいですよね。テニスのことをよく知っているコーチや先生に教えてもらえるし、先輩から学ぶことも多いです。仲間が練習しているのを見るのも励みになり、自分もサボらず練習しよう、という気になります。そこでできた友達と一緒にプレーしたり、食事や遊びに出かけるのも楽しいですよね。

瞑想を学ぶのもまったく同じで、独学するよりどこかに通えたら一番です。自分と同じように瞑想や精神性に興味があり、自分より長く瞑想を実践している人に出会えます。その人たちは先生ではないけれど、仲間として友人としてとても励まされ勇気付けられる存在になります。忙しい毎日の生活の中で、瞑想の大切さを見失わず実践を続けていく励みにもなります。

さらに、自分を導いてくれるスピリチュアル・マスター(魂の師)に出会えたら本当にラッキーです。自分専属のコーチがいてくれるようなものですから。自分の内的成長のため何が必要なのか、どのように瞑想したらいいのか、内的に個別指導してもらえます。

でも色々な事情から、今すぐ瞑想ワークショップには参加できないけれど、興味を持ったのでとりあえず瞑想を始めてみたいと思われている方はたくさんいらっしゃると思います。ここではそんな方たちのために、自宅でできる瞑想の練習法を説明しようと思います。(内容はシュリ・チンモイの瞑想法をもとにまとめたものです。)

 

  1. 瞑想は自然なこと

瞑想はやったことがないし、やり方も知らないと思っておられる方は多いと思います。でも実は大体の人は気付かないうちに瞑想を経験しているものです。山登りをしながら、山の自然の静寂さや雄大さに吸い込まれそうになったり、その静寂の中にただいる感覚、味わったことありませんか。空を眺めていて、その広大さを全身で感じるような経験、ありませんか。瞑想はハートの一体感です。何か広大なもの、美しいもの、神聖なものと一つになる体験です。「瞑想するんだ」と意識して座らなくても、瞑想経験は訪れます。特に自然の中で感じる人は多いです。また、スポーツや音楽などに没頭している時に瞑想状態を経験する人も多いようです。(最近はこの状態を科学的に証明しようと様々な実験や調査もされています。)

でも意識的に瞑想して、自分の奥深くに行き、真の自分を発見していきたいという思いが湧いたら、毎日の生活の中で瞑想を定期的・継続的に行えるよう環境を整える必要があります。

 

  1. 瞑想をする環境を整える

何かを始めるには、まずそれに取り組みやすい環境を整えることが大事です。瞑想も熟達者になると、24時間瞑想状態を保つことができます。仕事をしていても、家族と話をしていても、満員電車の中にいても、自分の一番奥深くにアクセスしていられるのです。しかし初心者はそうはいきません。自分の中に「瞑想したい」という思いが芽生えました。とても貴重なアスピレーション(高みへ行きたい、より良い存在になりたいという切望)の芽生えです。でもまだ小さな芽ですから、大切に育てないといけません。瞑想の熟達者は大樹のようで、どっしりとして台風でも倒れません。でも小さな芽は守ってあげないと育っていくのが難しいのです。

(1) 瞑想する空間を作る

まずは、自分の部屋に瞑想をする一角を作りましょう。小さくていいので、「ここは瞑想だけに使うんだ」という場所を決めます。例えば同じテーブルでご飯を食べて、片付けたら瞑想するとか、家族皆の通り道になっている場所に設置するのは望ましくないです。私は初め本棚の一段を空けてそこを瞑想の空間にしました。それからしばらくして小さなテーブルを使うことにしました。

小さなテーブルや棚の上など、場所を決めたら、そこを自分の瞑想空間にしていきます。自分が心静かになれる、神聖な気持ちになれるものを幾つか置いてみましょう。瞑想は自分の魂と向き合う時間、魂にご飯をあげる時間ですから、特別なのです。きれいな布を敷いてみたり、お気に入りのキャンドルやお香を焚いてみるのもいいです。花を飾るのもいいですね。お香は空気を清めてくれますし、花を見ていると純粋さや美しさなどの資質が自分の中で育めますし、キャンドルの炎は、上へ上へと昇っていきたい自分の中のアスピレーションを思い出させてくれます。もし信頼しているスピリチュアル・マスター(魂の師)や精神的存在の写真や像(仏像など)があるなら、それを置いたらいいと思います。広大な美しい自然の写真を置く人もいます。この瞑想空間(シュライン)で毎日瞑想することで、瞑想の気が作り上げられていきます。そこは家の他の場所にはない、静かで神聖な一角になっていくのです。

(2) 座り方

シュラインに向かって座れるスペースも確保しましょう。シュラインを目の高さで見られるように調節できるのがベストです。座布団やクッションで床に座ってもいいですし、椅子でもいいです。座り方も特別な足の組み方をする必要はなく、あぐらで大丈夫ですが、大事なのは床でも椅子でも背筋が伸びていることです。これで自分の中を良いエネルギーが流れるようになります。クッションのお尻の方を高くすると背筋を伸ばして座りやすくなります。

(3) 瞑想する頻度と時間

瞑想をしたいと真剣に思ったら、誠実に取り組むことが大切です。シュリ・チンモイは瞑想を「魂にご飯をあげる時間」だと言っています。私たちは日に三度体にはご飯をあげます。お腹が空いて栄養不足では毎日の活動に支障をきたすからです。同じような気持ちで魂に毎日内的なご飯をあげないといけない、と言っています。そうすることで内的に健康で幸福になり、内的に成長していけるのだと。ですから毎日実践することが肝要です。ただ量より質で、最初は10分程度で構いません。慣れてきてもっと続けたいと感じるようになったら15分、20分と段々に増やしていきます。

では1日の中で瞑想するのに1番いいのはいつでしょうか。それは朝起きてすぐです。その人の仕事や学校や家事の予定によって、何時に行えば瞑想の時間が確保できるのか調整する必要があるでしょう。さらに、毎日同じ時間に瞑想できればベストです。瞑想は自分の魂との約束の時間だ、とシュリ・チンモイは言っています。仕事で取引先と9時に会う約束をしたら、きちんと9時に(あるいはその数分前に)行くように、毎日の瞑想も時間を決めたら、その時間を守ることがとても大切です。

例えば朝6時に瞑想することに決めたら、その何分か前に起き、顔を洗い、できればシャワーを浴びるとシャキッとします。そして軽く清潔な服に着替えて自分のシュラインに座り、始めましょう!これからの10分間は自分と魂だけのための大切なひと時です。1日の始めに、家事や携帯や他のことをする前にこの特別な時間に集中してみましょう。

1日1回瞑想するなら朝起きてすぐですが、もしもう1回瞑想したいなら、次にいい時間帯は寝る前です。これは決まった時間を設定する必要はなく、ベッドに入る直前に行ってください。長さは朝より短かめでも大丈夫です(数分程度)。

 

  1. 瞑想してみよう

ここでは初めての方でもやりやすい瞑想の練習法をご紹介します。瞑想の練習の第一歩はマインド(頭、思考)を鎮めることです。マインドはいつも、あの考えからこの考えへと忙しく動いています。これは例えれば水面に立っている波で、波がない水面は透き通っているように、マインドが静かになるとハートの奥にある魂の輝きが前面に出てきます。

マインドの働きを鎮める方法はいくつかありますが、ここでは呼吸とイメージに集中するやり方をご紹介します。

(1) シュラインの前に静かに座り、背筋を伸ばします。1回1回の瞑想の時間が、自分を内的に成長させてくれる貴重な機会なのだと思ってください。背筋が伸びた状態を10分間キープできる心地よいポジションを見つけてください。(仕事や学校前の場合などは、タイマーをセットすると時計を見続けなくてすみ、集中しやすいです。)

(2) 目を半眼にします。目を見開くのでも完全に閉じてしまうのでもなく、軽く半分開けた状態にすることです。目を閉じた方がやりやすいと思われるかもしれませんが、そうすると眠りの世界に入ってしまう人が実は多いです。なので、なるだけ半眼で練習してみることをお勧めします。こうすることで将来的に得るものも多いです。

(3) 自分の呼吸に集中します。できるだけゆっくり、静かに、深く呼吸します。もし鼻の前に糸が垂れていたら、その糸がほとんど揺れない位静かに息を吸って吐いてみてください。息をしている自分は生命の河の流れそのものであり、その流れの中に静かに身を任せ、意識を集中させてください。苦しいのは良くありません。無理せず、心地よく呼吸してください。

(4) この呼吸を数分行い落ち着いてきたら、今度は良い資質を自分の中に吸い込み、ネガティブな資質を自分の外に吐き出す、ということをしていきます。

  1. 最初に、吸う息と一緒に「平和」を取り込んでみましょう。一回吸うごとに、体の隅々まで平和で満たされるのを感じてください。そして息を吐く時は、落ち着きのなさやストレス、ネガティブな考えなど、自分の中にある平和でないものを吐き出しましょう。吸い込む良い資質を白い光、吐き出すネガティブなものを灰色とイメージしてもいいでしょう。これを数分間行います。
  2. その後少しの間(1分くらい)平和の中にただ静かにいてみてください。何も考えず、自分を満たしている平和を感じるようにしてみてください。
  3. 次に吸う息と一緒に、「宇宙のエネルギー」を自分の中に取り入れてください。そしてその宇宙のエネルギーが自分の隅々まで浄化し、活力を与えてくれている、とイメージします。一回吸い込むごとにそのエネルギーが河となって自分の中を流れていきます。そして疲れやストレスや後ろ向きの考えを洗い流してくれます。そういうネガティブなものは吐く息と一緒に外に出ていきます。
  4. 先ほどと同じように、その後少しの間宇宙のエネルギーをただ感じていてください。静かに宇宙のエネルギーとひとつになろうとしてみてください。
  5. 数分たったら、最後に「喜び」を自分の中に吸い込んでください。一回吸い込むごとに喜びが自分の中でどんどん大きくなっていきます。そして息を吐く時は苦しみや悲しみを吐き出します。
  6. その後1分程度自分を満たしている喜びとひとつになり静寂の中にいてみてください。

(5) 数分たったら、徐々に意識を呼吸に戻していきます。この後少しの間、その静寂と落ち着きの中にいてみてください。この時間をとることで、自分の中に取り入れた良い資質が自分に同化しやすくなります。すぐに動き出したり話し出したり、他のことを考え始めたりすると、せっかく得たものが消えてしまうことがあります。

マインドが静かであるほど、自分の中に取り入れたものを感じやすくなります。実はこのような良い資質はあなたの魂がすでに内側深くに持っているものです。だから正確に言えば、外から取り入れたのではなく元々持っているものが前面に出てきやすい環境づくりをしてあげたのです。

 

  1. 瞑想は心の貯金

上にご紹介したような集中と瞑想の練習を朝行い、ハートの中に平和や喜びを感じたら、それは貴重な内的財産であり、その日1日あなたを助けてくれます。銀行口座に貯金があれば、必要な時お金を引き落として買い物できるように、平和や喜びをハートに貯金しておいて、日中の生活で必要な時使うことができます。

私が瞑想を始めてかなりすぐに気づいたのは、瞑想をして家を出るとその日1日の景色が違うということでした。以前はよく時間と予定に追われているような、焦ったような気持ちになり、周りで起こることに気分を左右されることもしばしばありました。でも瞑想をして数週間で、時間と自分の関係が逆転してきているような感覚になりました。心の余裕と喜びが内側にあり、芯が通って焦る必要がない、とでも言ったらいいでしょうか。前はすぐ気分を害していたようなことも気にならなくなったり、周りの生きとし生けるものへの愛情が湧き上がってきたり。そんな変化は驚きであり喜びでもあり、今も新しい自分を発見する日々が続いています。ありがたいことです。

瞑想の効果は最初なかなか感じられないかもしれませんが、続けていくうちに必ず進歩していきます。大事なのは「ちゃんとできているんだろうか?」「今の瞑想でよかったんだろうか?」と悩んだり自分で出来を判断したりせずに、毎日続けることです。

瞑想の効果は自分で感じるより自分の事をよく知っている周りの人が先に気づくことも少なくありません。家族や仲の良い友達に「なんか変わったね。」「いいことあったの?」と聞かれて初めて自分の変化に気づいた、という話はよく聞きます。

今までずっと魂に注意を払ってきませんでした。だからあなたが瞑想しようとトライしているそのこと自体にあなたの魂は喜んでいます。千里の道も一歩から、です。さあ、始めてみましょう。